2023年9月19日、私たちはPQXDHを発表しました。これは、Signalプロトコルの耐量子性を強化するための第一歩となるものでした。Signalは、この一歩を踏み出した最初の主流メッセンジャーアプリであり、この一歩とは、将来、現在の暗号化基準を破るほど強力な量子コンピュータが開発されるという脅威に対して、重要な保護層を追加したことを意味しています。
PQXDHのサポートがSignalに初めて追加されてから、1年半以上が経過しました。Signalは、これらの改善がすべてのユーザーに恩恵をもたらすように、サービスの継続利用にPQXDHのサポートを必須条件にする予定です。
Signal Desktopでこのバナーが表示されるのはなぜですか?
あなたのアカウントは、特殊なカテゴリに該当します:
- アカウントのメインとなっている端末(Signalに最初に登録した際に使用したAndroidまたはiOS端末)がアップデートされておらず、1年以上Signalサービスに接続されていないようです。
- しかし、リンク済み端末の1つ以上(Signal Desktopなど)はアクティブにSignalを利用していて、サービスに接続している状態です。
- アカウントのメイン端末がPQXDHをサポートしていません。
対応策はありますか?
条件が整っていれば、プロセス自体はシンプルかつ明快です:
- Signalに最初に登録するときに使用したスマートフォンを用意します。
- そのスマートフォンの電源を入れ、最新のSignalをインストールします(例:App StoreまたはPlay Storeから)。Signalのリリースは90日で期限切れになるため、長期間引き出しに入れたままだった電話を充電して、すぐに古いバージョンのSignalを起動しようとしても動作しません。
- そのスマートフォンで最新のSignalを起動し、サービスに接続します。さまざまなチャットスレッドでさまざまなエラーが表示されている可能性があります。メイン端末がSignalサービスから長期間切断されていると、同期していないデータ等を正常に復元できない可能性があります。
- スマートフォンで、Signalを数分間開いたままにしておきます。
- Signal Desktopを閉じて、再起動します。スマートフォンが正常に更新され、サービスに接続できた場合は、バナーは表示されなくなるはずです。
上記対応を行わなかった場合やそのスマートフォンにアクセスできなくなった場合、登録時にメインとなっている端末からSignalをアンインストールした場合には、どうなりますか?
アカウントは無効になります。最新バージョンのアプリでSignalを再インストールし、再登録する必要があります。
同じことがまた起こらないようにするにはどうしたらいいですか?
スマートフォンで定期的にSignalを起動し、最新の状態を維持してください。一部の機能は、アカウントとリンクしているすべての端末が最新のアップデートや改善に対応している場合にのみ有効になります。メインとなっている端末を使用していないと有効になりません。
なぜメイン端末/スマートフォンからこれを行う必要があるのですか?
SignalアカウントがPQXDHをサポートするには、アカウントにリンクされている個々の端末がすべてPQXDHをサポートしている必要があります。すべてのSignalアカウントにはメイン端末が必要です。メイン端末は常にあなたのSignalアカウントに紐づいており、普段使用していなくてもアカウントから削除することはできません。Signalアカウントにリンクされている各端末は、それぞれ独自の暗号キー一式を持っており、あるデバイスが別のデバイスのために新しい暗号キーを生成することはできません。メイン端末はアカウントから削除できないため、PQXDH暗号キーを生成できるようにメイン端末を再アクティブ化する必要があります。これにより、アカウントに紐づけられている他の端末もPQXDHにより保護されることになります。
なぜこの件が重要なのでしょうか?
最新の機能や改善点に対応ができていないと、あなたが会話するすべての人に影響が及びます。あなたのアカウントは現在PQXDHをサポートしていないため、相手のアカウントや端末が最新であっても、相手は更新されたプロトコルを使用してあなたとメッセージを交換することはできません。
Signalは、他のほとんどのアプリがまだ取り組んでいないことですが、将来の量子コンピューターの脅威から身を守るための新しいアプローチを取り入れる取り組みをする先駆者となってきました。従来のフォールバック方法を使わずにPQXDHのサポートを実施することで、こうした取り組みをさらに発展させ、あなたの大切な人々を保護することができます。
ご不便をおかけして申し訳ありませんが、なにとぞご理解いただきますようお願いいたします。